エクシブ箱根離宮 散策倶楽部
『美術館めぐりvol.5 小涌谷編 ~箱根最大の美術館 岡田美術館と藤田男爵の別邸~』
2014年7月16日(水)

さて、今年度3回目の散策倶楽部は「小涌谷」を舞台にした散策です。
喜多川歌麿の「深川の雪」が、66年ぶりに発見され、メディアに大々的に取り上げられていた、「岡田美術館」さんをみっちりと楽しんでいただきます♪
そして、ランチにはある方の別邸だったところで、お蕎麦を楽しんでいただきます。
今回は初参加の方も多く、5組12名ものお客様に参加していただくことができました。


まずは、ホテルのエントランスにて今日のスケジュールのご案内です。

今回は箱根登山バスにて、小涌谷まで向かいます。当日は陽があたるとかなり暑い気候。
日陰で本日の資料に目を通していただきながら、バスをお待ちいただきます。

10分ほどバスに揺られて、「小涌園」バス停で降りてすぐ目の前の本日の目的地「岡田美術館」に到着です。

岡田美術館はなんといっても一級品ばかりを所蔵されています。そのため、セキュリティは空港並みです!
皆さん、余分な手荷物や携帯電話、ペットボトルは預け、セキュリティゲートをくぐって、やっと作品に会うことができるのです。


岡田美術館で再度集合し、改めて今回のスケジュールのご案内です。岡田美術館には興味がありながらも、訪れたことがないという方がほとんどでした!今日はたっぷりと楽しんでいただきましょう!

今回のご案内役は「芳澤一夫」先生。芳澤一夫先生は、いつも箱根離宮のスケッチ倶楽部でお世話になっている現役日本画家の方です。小田原市在住で、小田原駅の大きなステンドグラスの原画を作成された方なんです!今日は画家というフィルターを通して作品を紹介していただきます。皆さんには、学芸員さんとも一味違った観点から、作品に触れていただきましょう!

ちなみにこちらが小田原駅にある芳澤先生の作品です!JR小田原駅の改札手前左に飾られています。

さて、セキュリティゲートを潜ってまもなく、壁一面に大きな作品をみていただくことができます。
館内の作品は撮影することができないため、お見せすることはできないのが残念ですが、俵屋宗達作の国宝「風神雷神図屏風」を、巨大スケールで再現した福井江太郎さんの「風・刻(とき)」という作品が飾られています。なんと、縦12m、横30mにまで及び、迫力満点です!外から窓越しに、外にある足湯に浸かりながら、作品を楽しむこともできるのです。

さて、本格的に館内へ…この岡田美術館はフロアが5つに分かれていて、どのフロアも1つの美術館にあたるほど、とーーーーっても広いのです!貴重な作品がたくさん並んでいます。
日本が穴蔵で生活をしている頃に、中国ではすでに非常に細かな装飾のものをつくる技術があることに驚きでした!そのような中でも、作品に使われる色で官位が決まるなど共通点もあり、やはり文化は国境を越えて繋がっているのだという驚きもありました。日中韓の作品を様々の観点から楽しんで行きます。
撮影禁止のため、雰囲気のみおすそ分けです♪

一人ひとりのお顔がきれいな「加彩楽舞踊」、全てが揃っているのはとても珍しいものです。
クリーム色・緑色・白の釉薬が使われた「唐三彩らくだ駱駝」、今にも動き出しそうな迫力と、釉薬の色合いが美しいものです。
…数々ある作品から、芳澤先生一押しの作品を次々と紹介してくださいます。
こちらも撮影禁止のため、雰囲気のみおすそ分けです♪

一通り(とは言ってもまだまだほんの一部ですが…)作品を楽しんでいただいた後には、皆様お待ちかねの「小林忠」館長からのギャラリートークを楽しんでいただきます。先月6月に姉妹提携を結んだ中国の「国立りゅう劉かい海じん粟美術館」さんとの繋がりをお話いただきました。そして、その提携を記念して展覧会が催されている「玉器の名品」の説明もしていただきました。
今日はちょうどラッキーなことに館長のギャラリートークの設定日でした♪

「玉器の名品」からは、主な作品2点を説明していただきました。ぎょく玉の硬くも柔らかい美しさや繊細さが、
当時の中国王宮の人々が愛でた生活の豊かさを物語っていました。玉は彫るのではなく、お水を浸して石で磨きだすものなのだそう。丹精込められた作品の装飾は非常に細かく、磨きだすとは途方もない作業に思われます。
色や模様、用いられるモチーフなど、その石の特性や使われ方を意識した作品の作られ方には、その作り手の芸の細かさを窺わせます。
館長の説明にエクシブ箱根離宮の散策倶楽部の参加者以外にも、多くの観覧客が惹かれていきます。

こちらが「玉器の名品」を眺める皆様の図。名品の魅せる技に引き込まれていきます!

以上で、午前中のプログラムは終了!さて、おなかもすいてきたところで、ランチの会場に向かいます。
空は濃い青で、すっかり夏の気候です。

小涌谷の温泉施設「ユネッサン」さんの中を通って奥へと進むと、ランチ会場の「ちん椿ざんそう山荘」さんがあります。
ユネッサンは訪れても、奥へ進んだことがあるという方はいらっしゃいませんでした。知っているつもりで知らないものが多いのだと、散策倶楽部に参加するたびに改めて感じます!

木漏れ日の中に建つ建物はなんだかとても涼しげでした。こちらは「藤田財閥」さんの二代目「藤田平太郎」さんによって、大正7年に建てられた別邸なのです。国の登録有形文化財にも指定されています。


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