エクシブ箱根離宮 散策倶楽部
『学芸員がご案内!美術館めぐりvol.6 熱海番外編
 ~エクシブ湯河原離宮建設予定地と琳派:尾形光琳の国宝揃い踏みを巡る~』
2015年2月26日(木)

寒さも徐々に落ち着き、俄かに春の訪れを感じる季節となってきました。
そんな今回の散策倶楽部は番外編!箱根から熱海まで少し遠出をしてきました!
湯河原離宮建設予定地を見学後、MOA美術館にて「紅白梅図屏風」、「燕子花図屏風」の二大国宝観賞を楽しんでいただきます。
今回は2日間の開催で、29組60名様ものお客様にご参加いただきました!
今日はそのツアーの前日に続く2日目!
23名のお客様にご参加いただきました。


エクシブ箱根離宮を9:00に湯河原経由で熱海に向けてバスで出発!
まずはバスの中で散策倶楽部スタッフの中嶋が本日のスケジュールをご案内♪
箱根から湯河原への移動途中にも要所要所ご説明をさせていただきます。

芦ノ湖を経由し、湯河原パークウェイを降り、湯河原へ…
エクシブ箱根離宮からエクシブ湯河原離宮建設予定地まで1時間ほどで到着です♪
車窓から建設作業の様子をご覧いただきました。
敷地周りにはガードの壁があり、普通車であれば見渡すことが難しくても、バスの高度からであれば中の様子をしっかりとみていただくことができます!
2017年3月に開業予定のエクシブ湯河原離宮は、琳派モダンをコンセプトとし、建設予定地となっているのは湯河原の老舗旅館「天野屋旅館」さんがあったところ。
夏目漱石、伊藤博文、横山大観、安井曾太郎など数々の文化人が利用していました。
リウマチ治療のため滞在していた夏目漱石は、ここで未完となった「明暗」を執筆しており、その中に天野屋旅館さんと思われる宿が登場します。

エクシブ湯河原離宮建設予定地から30分ほどバスにゆられ、MOA美術館に到着しました!
通常、1日平均1000人の来場者が二大国宝が揃いぶむ「光琳アート」企画展の会期中は、平均客数が通常の3倍の3000人となり、先週末の土日には…
なんと!! 来場者数は7000人を超え、入場者規制があったのだとか。
本日も熱海駅からのバスに乗ってたくさんのお客様がお見えでした!

MOA美術館入口にて本日ガイドを務めてくださる上榁(かみむろ)さん、泉山さんからご挨拶です!
ちなみにMOAを「モア」と呼ぶ方がいますが、正式名称は「エム・オー・エー」。
創立者である岡田茂吉(1882年~1955年)氏の Mokichi Okada Association の頭文字になっています。
意外に知らなかったトリビアに皆さんふむふむ。と勉強されていました♪

ユーモアを交えながら尾形光琳の作品の捉え方をご説明くださり、新たな光琳の一面を垣間見ることができました。

まずMOA美術館を訪れてびっくりするものが、このなが―――いエスカレーター!
総延長約200m、高低差約60mものエスカレーターであり、MOA美術館が建てられた昭和57年当時、日本一長いエスカレーターと言われていました。
美術館入口から本館まで、上るのだけでも約15分要しました!

エスカレーターはトンネルのような長い空間を進み、照らす照明は刻々と様々な色へと変化していきます。
近代的でSFを思わせるこの空間は、異世界へ通じるようでワクワクとした気持ちになります!

エスカレーター乗り継ぎの途中には円形状の空間が拓けていて、特設展示が行われていました。
今はMOA美術館全国児童作品展が催されており、小学生の作品とは思えないような素晴らしい作品の数々が並んでいました。

ようやく展示室前のチケット売場に到着!
開館直後にも関わらず、すでに列が出来ていました!
次々とお客様がいらっしゃいます…!
しかし、本日は特別ツアーなので、このチケット購入街の行列も素通りして館内へ♪
ツアーの特権発揮です!

まずは、能楽堂で学芸員の方より今回の展示、「尾形光琳300年忌記念特別展『燕子花と紅白梅』光琳アート-光琳と現代美術」について、解説トークをしていただきます。
この能楽堂は501人の動員が可能で、取り外し可能な目付柱、ワキ柱を採用することで能だけでなく、美術講座や映写会など多目的に使用されています。

今回は特別バージョンでの講演をいただきました。
お客様の中には、メモをとりながらお話を聴いているお勉強熱心な方もいらっしゃいます♪

モニターで画像を観ながら説明をしてくださいます。
光琳の二大傑作がそろうのは、今回の300年忌記念特別展で実に56年ぶり!
昭和34年に今上天皇(現在の天皇陛下)ご成婚を祝して、根津美術館にて開催されたとき以来なんです!!

能楽堂での説明をおえたあとには、2班に分かれて、企画展の展示鑑賞と尾形光琳の屋敷を交互に見学していきます。
ガイドの上榁さん、泉山さんの2班に分かれ、エクシブ箱根離宮スタッフがアテンド致します。

上榁さん班はまずは作品鑑賞から…!
午前は館内がとても混み合うため、午後の自由鑑賞を効率的に観られるよう、ロケハンを行っていきます!

展示室内では資料を掲示しつつ、上榁さんが二大国宝の説明をしてくださいました!
ユーモアを交えながらのご説明に、みなさん終始笑顔で聴いていらっしゃいました♪

泉山さんの班と交代で、次は光琳屋敷の見学にむかいます。
外は小雨の生憎のお天気ですが、情緒あるお庭を傘にあたる雨音を聴きながらゆったりと歩くのも風情、狭い道ですれ違い様に傘かしげをするのも風情でした。

光琳屋敷の隣には梅の花が咲いていました!
雨が滴る満開の梅にも雰囲気を感じ取れます。

この光琳屋敷は、MOA美術館の創立者である岡田茂吉さんが美術館の創立3周年の際に、江戸時代に焼け落ちてしまっていた屋敷を復元させたものです。
京都の新町通りに面していた光琳屋敷は東西南北の向きまで忠実に復元され、陽の入り方などからも光琳のこだわりが見てとれます。


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