エクシブ箱根離宮 散策倶楽部
『美術館めぐりvol.5 小涌谷編 ~箱根最大の美術館 岡田美術館と藤田男爵の別邸~』
2014年7月16日(水)

代々、藤田家が箱根に来ると定宿にしていたのは、現在のエクシブ箱根離宮の立っていた宮ノ下の奈良屋旅館でしたが、旅館では不自由な面もあったのか、大正7年(1918年)に平八郎の息子、平太郎の妻、富子の設計による純和風の別荘を建設しました。京都の庭師が手がけた庭園は、建物に対する風の影響を考え、極力落葉樹を省いた庭づくりとなっています。建築も京都から招かれた宮大工の知恵と技術により、床下には湿気を防ぐため一尺近くの炭が敷き詰められ、廊下の床下には鉄板が入れられ、自然の驚異にはびくともしない頑丈な建物として完成しました。平太郎が昭和15年(1940年)に亡くなった後も藤田家の別荘として愛用されていましたが、戦後の財閥解体を経て、小川栄一(藤田観光初代社長)が譲り受け、昭和23年(1948年)7月に名称を「小涌園」と命名し、旅館として開業。今では一大温泉リゾートとなった「箱根小涌園」の第一歩を歩み始めました。この建物は平成13年には国の有形登録文化財に指定され、現在では「箱根茶寮 椿山荘」という名称の蕎麦処となっています。

客室の中でも、最も広い「月の間」に案内していただきました。

建物内は古く、昔ながらの味を醸し出しながらも、新鮮な空気が漂い、みなさんにリラックスしていただくことができました。

そしてなんといっても、月の間からは、お庭越しに明星ヶ岳などの箱根外輪山を楽しむことができるのです!
お庭も京都の庭師によって手がけられており、落葉樹を極力省いた造りは、風から建物を守るための工夫なのだとか。窓ガラスの手作りならではの歪みも古き良き風合いを醸し出していました。

さて、みなさんお待ちかねのランチが次々と運ばれてきます。


みなさんにはお好きなメニューをお選びいただいて、お召し上がりいただきました。

こちらはよもぎを練りこんだ「よもぎ蕎麦」です。口に含むとよもぎの香りがふわっと鼻にぬけ、後味も爽やかで初夏が思い浮かばれました。

笹の葉で包まれたお餅ももちもちで、中のこしあんがひんやりとして涼しげでした。

月の間に飾られたこちらの作品は、伊藤博文が書いたものです。伊藤博文の号「春畝(しゅんぽ)」という字がみてとれます。

そして、こちらの椿山荘さんには蔵があり、山本丘人や東郷青児をはじめとする巨匠たちの印象的な作品がたくさん飾られていました。"芸術蔵”と名づけられ、お食事利用の方は自由に見学できる場所なんです!

蔵は2階建てで16点ほど作品が飾られています。作品を間近で楽しむことができました。

作品鑑賞に加えて、芳澤先生の画家のフィルターを通しての解説に皆さんどんどんとひきずりこまれていきます!キャンパスの素材の話などは、作家さんならではの視点でとっても興味深かったです!

外に出てみると、椿山荘さんの看板には「満席」の文字が!お食事される際には、予約をしていただいた方が安心のようです。お庭から見える贅沢な景色と、さっぱりとするお蕎麦に気持ちも爽やか、足取りも軽やかになりました♪

さて、岡田美術館さんに戻り、午後の部がスタートです。午後は疲れも考慮して、途中のベンチで休みながら、ゆっくりと作品を鑑賞していきました。

岡田美術館の前と館内で1枚ずつ集合写真を撮りました。作品は撮影禁止のため、ブログにて作品をお見せすることができないのは残念ですが、ぜひご自身で足をお運びいただければと思います♪
この参加者の皆さんの笑顔が、この美術館のすばらしさを物語っています!


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