エクシブ箱根離宮 散策倶楽部
『地元民がご案内!箱根路地裏散策vol.18 ~塔ノ沢編②~ 塔ノ沢の有形登録文化財を巡り~』
2015年6月18日(木)

箱根や小田原ではあじさいが見頃を迎え、雨の中のお散歩が心地よい季節となりました♪
そんな今回の散策倶楽部は駅のあじさいも美しい塔ノ沢が舞台です。
今回は3組5名のお客様にご参加いただきました!


エクシブ箱根離宮から、今回は箱根登山鉄道を使い、塔ノ沢駅界隈を訪れました!
今回は塔ノ沢駅のホームにて今日のスケジュールをご案内♪

ホームにはあじさいが満開できれいに咲いていました。

まず初めに駅ホーム内にあるという珍しい神社を訪れました。
「深沢銭洗弁天」は金運・財運アップを望むことのできる神社で、弁財天の遣いで富をもたらすといわれている白蛇を母神としています。
松井証券の創業者「松井房吉」(1871年~1950年)は、毎週土曜日に塔ノ沢温泉の温泉旅館「福住楼」へ行き、ファンが大勢で迎えるほどの人気を誇った阪東妻三郎と張り合うように塔ノ沢周辺の旅館をすべて借り切るほどの豪遊をしたと言われ、その際に枕元に弁天様(一説によると白蛇)が立ったのを機に、箱根登山鉄道塔ノ沢駅の構内に弁才天を祭る祠(深沢銭洗弁天)を寄贈したといわれています。
また長男で第2代松井証券社長である「松井武」の誕生日である5月10日を神社の祭礼日にしました。

境内には表情が豊かなだるまが並んでいました。

苔の生えた蛙の石像も何か物語っているよう!

銭貨を洗い、神様に金運アップをお願いします・・・!
洗ったお金は世の中を巡るように使ってしまうのが良いのだとか♪

少し前に降った霧雨が苔に光る様子に情緒を感じます!
ホームからすぐ横にこのような空間がつづくため、不思議な世界に迷い込んだようで、わくわくとします。

この塔ノ沢駅は箱根登山線では唯一車では立ち寄ることのできない山中の駅です。
トンネルとトンネルの間にあり、小さくかわいらしい駅です。

案内板で今日のツアールートをご案内。
塔ノ沢には「福住楼さん」、「一の湯さん」、「環翠楼さん」の3軒の登録有形文化財のお宿があります。
今日はそのうちの2軒を巡ります♪

塔ノ沢駅は国道から標高の高いところにあるため、ここから坂道や階段を下っていきます。
今から訪れる旅館さんを遥か下に臨むことができました!

長い道をひたすら下り、国道沿いへでてきました。
戦時中、塔ノ沢界隈は病院として使われていた等の理由から、箱根には爆弾が落ちなかったのだといいます。
戦時中、本日ご案内する一の湯さんは内科として、福住楼さんは耳鼻科として使われていました。

午前のご案内スポットの寛永7年(1630年)創業の「一の湯本館」さんに到着しました。
今では建築することのできない木造4階建て構造が残る貴重な建物です♪
早速中をご案内いただきましょう!

入館してすぐに「登録有形文化財」のレリーフを発見しました!

一の湯のスタッフさんが書いていらっしゃるのは、当日宿泊されるお客様のお名前を書いたウェルカムボード。
大工さんが目印付けのために使用している砥之粉(とのこ)という塗料を使って書いています。
こちらを玄関横に掲げてお客様をお迎えするため、日本人はもちろん、海外の方々にも評判が良いそうです。
「こんな風に書いて欲しい!」というリクエストもあるのだとか♪

本日「一の湯本館」さんのご案内を務めてくださるのは矢後支配人でいらっしゃいます♪
ユーモアあふれる笑顔で案内していただきました!

まず始めにご案内いただいたのは4階にあるお食事処です。
大正11年に増築されたという格天井の食堂。
翌年の関東大震災を受けても被害はなかったため、ここを建てた大工さんは鼻高々だったのだとか♪

照明元にある漆喰の飾りも素敵です!
ランプシェードには家紋が描かれていました。

4階から見る宿泊者限定の初めて見る景色を皆さん食い入るように見つめています!

一の湯本館さんは利用客の約7割が海外の方で、建物が和風の作りであることから海外の方から非常に人気を集めています。
食堂に英語で「How to Eat the Pot Dish」(鍋の食べ方)と案内があるのも納得!
客室内には浴衣の着方やお布団の敷き方についても案内があるそうです。

食堂にあった一対のこちらの絵は江戸時代のもの。
美しい姉妹が同じお殿様を好きになってしまうという悲話を描いたものなのだといいます。
姉妹はそれぞれ1つずつ男性の持ち物を手に持っており、そこには見えない男性の姿を思い浮かべることができます。
1対とはいえども、対象にはなっていない絵に遊び心を感じることができます。


>>> 次のページへ