エクシブ箱根離宮 散策倶楽部
『地元民がご案内!箱根路地裏散策vol.13 小田原編③ ~白秋の散歩道を辿る~』
2014年6月12日(木)

そして、「♪からたちの花が咲いたよ 白い白い花が咲いたよ」で有名な「からたちの花」。そのモデルとなったのが、このからたちの木です。当時はアーチ状に白い花が咲き誇るほど、からたちの木が並び、白秋は、当時2歳だった息子の隆太郎くんと、このからたちの木を眺めたのだと言います。

現在は、残されたからたちの木はこの1本のみですが、当時のからたちのアーチを再現すべく、農園の方々の協力で48本のからたちを新しく植えています。白いお花の美しいトンネルとは、想像してみるだけでも心が踊りますね♪いつか白いお花のトンネルをゆったりとくぐりぬけてみたいものです!

さて、からたちの木を背にしてどんどん下っていきます。

立派な木々も多くあり、歩いていくと不思議な空間へ引き込まれていくようでした。


からたちの木があるこの小道は「からたちの花の小径」と呼ばれています。

小道の脇に咲いている、白い紫陽花も見頃でした。

坂を下っていき、さらに各所に設置されている白秋の解説を見ながら、白秋ゆかりの地を巡っていきます。

こちらの「みみづく幼稚園」さんは、白秋が小田原で建てた「みみづくの家」をとって名付けられています。「みみづくの家」というのも、見た目がみみづくに似た家であったことからそのような愛称で呼ばれていました。当初和館のみだった「みみづくの家」に洋館を増築しようとしたことで、当時の奥さんと離婚騒動が持ち上がったといいます。ちなみに、白秋は結婚と離婚を繰り返し、3回も結婚されました。

さて、このみみづく幼稚園さんは敷地内に入ると伝肇寺(でんじょうじ)というお寺があります。この伝肇寺は、白秋ゆかりのお寺ということから幼稚園同様に「みみづく寺」という名でも親しまれています。

境内には「かやの木やま」のモデルになった榧(かや)の木があります。

みみづく幼稚園を後にして、日本最古の上水道と言われている「小田原用水」に沿って歩いていきます。水の流れる音が涼しげでした。

たくさん寄り道しつつ、ランチ会場の「内野邸」さんに到着です。こちらは今年の1月にも散策倶楽部でお邪魔させていただきました!内野邸は明治36年に建てられ、内野家3代に渡って醤油醸造業を営んでいらっしゃいました。写真手前の石造りのアーチには、当時線路が引き込まれており、それを使用してお醤油を出荷していたとのことです。

さて、2階へあがると、印象的な障子があります。小田原らしく「干網」をモチーフにデザインされています。通常の障子よりも細い桟でつくられていて繊細さが伺えます。陽が当たり、影が浮き上がっている様子が美しかったです。

そして、前回内野邸さんに伺った際とは打って変わって、障子が夏仕様の涼しげなものへと変わっていました。障子が変わるだけでも雰囲気がガラリと変わります。窓を開けると風が通り抜け、開放的で心地よい空間を味わうことができました。

障子の下の方には鯉の彫りも施されています。細かい意匠がとっても素敵なんです!!

みなさんお待ちかねの内野邸でのランチを作ってくださったのは、プリンスホテル系列の龍宮殿で料理長をしていらっしゃった小西正一さん。1月開催の際にも明治・大正のお料理を再現していただき、大絶賛でした!今回は北原白秋が愛したお料理の数々を、当時の味を再現しつつお弁当に詰め込んでいただきます♪


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